こんにちは、デニム研究吉田です。

前回からセルビッチと織機について書かせて頂いています。
今回も引き続き、、。

セルビッチデニムは旧式力織機(シャトル織機）でしか織る事が出来ず、生産性の高い新式の革新織機の登場で
80年代初頭には市場から姿を消していきました。

又その頃にはデニムの生産も日本からより人件費の安い中国などアジア圏に移行、
当然それらの国では最新式の織機を設備するので日本の製織工場も新型の革新織機に変更、
旧力織機はデニムの生産の現場から姿を消します。

で、ここが重要！日本人のモノを大切にする精神！！
需要が無くなり、機種変して使用されなくなったシャトル織機ですが、
邪魔だから廃棄処分！とはならなかった。
取り合えずは工場の片隅とかに保管されました。

時代は進んで80年代末から90年代頭に渋谷で遊んでいた若い子たちのファッションが渋カジと呼ばれて流行。
＜ロン毛にデニム（501とかベルボトム）とエンジニアブーツ（ウエスタンも有り）を穿いて、
インディアン・ジュエリーを付けるゴリゴリのバイカー風アメカジ。＞

少し前からの流行り始めていた古着のデニムがここで大爆発！
日本がバブル期真っ只中だったこともありビンテージデニムの値段も高騰！！
Levies 501のヴィンテージなんて信じられない高値で取引されてました。

そんな感じで、手が出るような値段で状態のいいビンテージなど皆無。
遂にはセルビッチ狩り、ビンテージ狩りなんて事まであって、、、。

そんな時代、欲しいけれど物がない！、でもは欲しい！どうする？となった時、
”それじゃあ新しく作ったら”と思いついた人たちが現れます。
幸い、日本にはシャトル織機が以前のままの姿で眠っている、これをメンテナンスし直して稼働させれば当時と同じ状態の生地の生産が可能です。

もちろん当時を知る職人さんがすでにその時には引退していたり、織機を修理するにも部品の生産がすでに終了していたりと決して簡単ではなかったと思います。
それでも一つまた一つとビンテージ・レプリカブランドが立ち上がり、セルビッチ・デニムが復活します。

眠っていた織機をレストアーして稼働するようにし、壊れて使えない織機でも買取り
部品取り用としてストックしたり、
技術的に解らないことが有れば引退した職人さんを訪ねて教えを乞う、
ヴィンテージを復活させたいブランドの情熱に応えるようデニム職人達も奮闘します。

その時代のニーズに合うように織機を改造したりと単に昔と同じ生地を織るのではなくそれ以上の物を創る。
このようにしてヴィンテージ・レプリカ・セルビッチデニムは復活しました。

皆さんが現在目にするセルビッチデニムがまさにこれです。

少し長くなったので今回はここまで！
次回からデニムを織る工程に行きたいと思います。

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