吉田

2022 05 Apr

【元生地屋が解説】#5

皆様こんにちは、デニム研究所吉田です。

先月は紡績について書きましたので今月はデニム生産工程の2つ目,
染色について。

まずデニムは合成インディゴ染料で染めます。
インディゴ染料の特徴は染料の繊維への固着が低く(染色堅牢度が低い)色が落ちるところです。
通常ですと染色堅牢度が低いことはマイナス(色が褪せる、移染する等)なのですが、
色落ちや経年変化を楽しめむジーンズにとっては欠かす事の出来ない要素の一つです。

染色の方法は先染めと後染めとがあります。
糸の状態(もしくは糸になる前)に染めるのが”先染め(糸染め)”
色がついていない生成り(キナリ)の糸を製織した後に染めるのが”後染め(生地染め)”です。

デニムは先染め生地なので糸から染めます。
糸の染色方法は何通りかあり、日本製のデニムは一般にロープ染色という染色方法で染めます。


<ロープ染色機>

☆ロープ染色以外の染色方法

枷染め
いわゆる手染め。
枷と呼ぶ糸の束を手で直接染料に浸けて染める。
染料がしっかり芯まで染まるように手で揉み込むことで圧を掛けて染める。
芯白は無い

 

チーズ染色
写真の様なチーズ(コーン)状に巻いた糸をチーズ染色機で染色。
水流を利用して全体に染料が行き渡るように染色。
芯白は無い。

ロープ染色はロープ状に束ねた糸をインディゴ染料に浸け、
それを引き上げて空気中につるして酸化させる工程を何度も繰り返すことで色の濃度を上げ濃い色に染めていきます。

インディゴ染料は酸化することで繊維に固着します。

ロープ染色は先ほども書いたようにロープ状の糸をインディゴ染料に浸し、浸透圧で繊維に染料を染み込ませます。
浸けるだけなので糸の外側はしっかりと染まるのですが染料が浸透しきらない芯の部分は染まらずに白く残ります。

この染まらない部分(芯白)がある糸で織られたデニム生地から作られたジーンズは
穿くことでしわになったりして擦れやすい部分は表面が削られて芯白が出てきます。
インディゴ染料の色落ちしやすいという特徴も有り擦れた部分が白く目立ち、擦れていない部分とのコントラストが出ます。
これがアタリです。

このようにインディゴ・ロープ染色が日本産デニムのヴィンテージ感のある色落ちを生み出します。

デニムの特徴、魅力である色落ちは今回解説したように染料の性質、染色方法による処も大きいのですが、
それだけではありません。
次回はもう一つの重要な要素の生地の織(製織)について説明します。
お楽しみに!!

 


 

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