定番生地バックサテンについてのお話｜JAPAN BLUE JEANS JAPAN BLUE JEANS 渋谷店公式ブログ

ザマ

2023 28 Mar

定番生地バックサテンについてのお話

こんにちは！
渋谷店のザマです！

相変わらず花粉症と戦う日々ですがやっとだいぶ暖かくなってきた…というかむしろ暑い日が出てきましたね。
この間なんか５月並みの陽気だったとか！春も感じたいのでそれはそれでなんだかなぁという感じです（苦笑）

というわけで（?）恒例の映画トークです！先日アカデミー賞も発表されて業界が賑やかになっていますね～
そんな中で僕が最近観に行った作品は『コンパートメント No.6』です！
フィンランド人留学生の女性（主人公）が"ペトログリフ"という古代の岩面彫刻を見に行く一人旅の道中、
寝台列車の中で偶然居合わせた粗暴な男との数日間を描いたヒューマンドラマ作品。
最初はなんか癇に障るこの男にだんだん人間味を感じていく過程がなんとも絶妙です。
舞台は極寒のロシアですが非常にじわっとくる暖かさの残る良作でした。

実はこちらカンヌ映画祭をはじめ世界で17(!?)もの賞を獲得したフィンランド映画で、
公開当初は上映している映画館が少なかったのもあり全部の回が完売状態でした！

この間やっと観られて感動です、、、決して派手な作品ではありませんが映画好きの方々にはぜひ観てほしい作品ですね！

とそんなところでそろそろ今回のお話です！
今日僕からお話しするのはこちらについて↓

前回書いた記事（よく聞くカバーオールとはどんなアウター？解説します！）でご紹介したアウターにも使われている
”バックサテン生地”についてです！

既に定番生地として色々な商品に使われているバックサテンですが、
これがどんな生地でどんな特徴を持っているのか？は意外とお話しする機会が無かった気がします。
というわけで今回はこちらを詳しく解説していこうと思います！

早速ですがバックサテンのお話をするにはまず”サテン生地”について説明するところから始めないといけません。

サテン生地とは、、、織物の三原組織である「朱子（繻子）織」（しゅすおり）で織られた生地の事をいいます。
朱子織とは経糸と緯糸が交差する部分を少なくし、経または緯のどちらか片方の表に出る割合を
多くすることで、ザラつきの少ない滑らかな肌触りになるよう工夫した織り方です。

図で表すとこんな感じ↓

一般的にサテン生地というと光沢のある滑らかなものを想像すると思いますが、
あれは表面に出る面積の多い方の糸に細番手の玉糸（光沢のある糸、絹糸や化繊糸など）を使用するのが一般的だからです。
ちなみに表にほとんど出ない方の糸は、生地に強度を出すためにやや太番手のものを使われることが多いようですね。

生地の主な特徴としては表面（細番手の糸の割合が多い）側が非常に滑らかな肌触り
であること、経糸と緯糸の交差点が少ない（＝固定されている部分が少ない）ことから
摩擦に弱いことが挙げられます。

ちなみにサテンという言葉自体は朱子織の事を指すので、実は玉糸を使用していなくてもこの織り方を
している物はサテン生地と呼ぶことができます。（あまり呼びませんが、、、）
ただやはり分かりづらいので、例えば玉糸を使わず綿100%で作ったものをコットンサテンなどと呼び
区別するのが一般的になっています。

さてここまでサテンの構成についてお話ししてきましたが、
本題のバックサテンとはこのサテンの裏側を表面に持ってきた生地。
つまり裏側だった太番手の糸の割合が多い面を表側に持ってきた生地ということですね。

←サテン　　　　　　バックサテン→

見比べてみるとやはりバックサテンの方がゴツゴツとしていてザラ感がありますね。
よりカジュアル感の強い質感であるのが分かると思います。

当ブランドのミリタリーテイストの商品に使われているものはベースがコットンサテンで、
打ち込み本数の多い密度の高いものにしているのでより丈夫であると同時に、
デニムのように”摩擦に弱い”という性質を利用した経年変化を楽しめる生地
になっています。（デニム生地の綾織も摩擦に弱い性質を持っている）

そんなバックサテンの生地を使っている商品を今シーズンも沢山ご用意してます！↓

MODERN MILITARY COVERALL
品番：JJK1030M31