k.uchida

2022 24 Dec

「ねじれる」可愛さ。

2枚の写真を見比べてもらうと妙な違和感を覚えたりするはずです。

そう、「ねじれている」か「ねじれていない」か、に。

 

デニムに携わる仕事をしていますと

必ず耳にする、もしくは話題に上がる一つにデニムの「ねじれ」があります。

 

初めて耳にする方は是非お聞きください。

非常に大事なお話です。

 

なんか大げさな言い回しをしてしまいましたが身構えずに気楽にどうぞ(笑

でも、知らない方には目からうろこかもしれません。

 

デニム以外の生地は一般的には「平織り」が多く、経(たて)糸と緯(よこ)糸を1本づつ

交互に交差させてつくられたもので、組織形状は綿のハンカチなどを見てもらえたら分かりやすいかもしれません。

タテ糸とヨコ糸を1本づつ交互に交差しているため洗濯縮みの際は均等に生地は締まります。(結果、ねじれは無い)

 

一方、デニムは経糸と緯糸を2本づつ抜かして交差させて織る「綾織り」というものになります。

「斜紋織り」とも呼ばれ、字の如く「斜めの紋様が見られる織り方」で、ジーンズを見てもらうと斜めに畝が走っている組織形状が分かると思います。

 

一気に話は進みますが、斜めに織られたものが斜めに絞り縮むのは何となくご理解いただけますか?

というか、むしろ図解無しでこれ以上の説明が自分には出来ないのでイメージを最大限に膨らませてご理解ください(笑

 

以上を踏まえまして右に綾織りしているものは右方向にねじれ

左に綾織りしているものは左方向にねじれます。

 

このねじれ、デニムの自然な形なのですが、シンメトリが好きな方からすれば違和感になるため、メーカーさんによってはこのねじれを出さないように「ねじれ防止加工」というものを施しています。桃太郎ジーンズでいえば「銅丹LABEL」が加工済みですね。

「出陣」と「VINTAGE」は、ねじれ防止加工(スキュー加工)をしていませんので

デニム本来のねじれを味わっていただけます。

 

ねじれたいです。ねじれに可愛さすら覚えます。

個人的には「ねじれてなんぼ」だと思っております。(あくまで個人の見解です)

 

皆さまもお手持ちのジーンズでねじれているものがあれば愛でてあげて下さい。

あ、ねじれないからダメとか、ねじれるから良いとかじゃ無いですからね

ねじれはデニム本来のもの。というのが言いたかっただけですので。

 

では皆さま良いお年を。

 

味野店 内田

MAIL:ajino@japanblue.co.jp